未踏ソフトウェア創造事業採択 荒川傑氏

本学大学院修了生の荒川傑氏が2007年度第2期「未踏ソフトウェア創造事業」プロジェクトに採択されました!

本学大学院修了生 荒川 傑(あらかわ すぐる)氏が、2007年度第2期「未踏ソフトウェア創造事業」プロジェクトに採択されました(2007年7月31日発表)。

「未踏ソフトウェア創造事業」は経済産業省所管の独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が実施している事業で、次世代のIT市場創出を担う独創性と優れた能力を持つ人材を積極的に発掘するとともに、彼らが開発に専念できる環境を整備し、新市場を切り拓くソフトウェアの開発支援を目的として、2000年度から実施しているものです。

2007年度第2期「未踏ソフトウェア創造事業」の公募結果、応募総数237件の中から荒川氏のプロジュクトを含む30件のプロジェクトが採択されました。
 このプロジェクトの採択により、荒川氏には次世代の日本IT産業界を担う研究者としての今後ますますの活躍が期待されます。
 荒川氏は、2005年3月に本学情報科学部コンピュータ科学科を卒業、同年4月に本学大学院情報科学研究科修士課程に進学、2007年3月に修了しています。
 採択プロジェクトのテーマおよび荒川氏の採択決定の感想を紹介いたします。

採択プロジェクトのテーマ

  • 開発現場の「掟」を代行するJavaコンパイラIrenkaの開発

採択プロジェクトの内容

ソフトウェアの開発現場にはルール(掟)があり、そんなルールを各自が守ることによってプロジェクトは円滑に遂行されていきます。たとえば、プログラミングの作法、ドキュメントの書き方、テストの方法など、グループでの開発にはさまざまなルールが用意されることになります。しかし、各自のルール習得や履行、プロジェクト管理者によるルールの監視などのために長い時間を割くのは少し無駄な気がします。
 そこで、Irenkaはソフトウェアの開発現場に潜り込んでルールの履行や監視を自動的に代行します。たとえば、ルールを守っていないプログラムを自動的に書き換えて、いつの間にかルールを守っているプログラムを作ったり、ルールをあまりに無視する開発者に自動的にメールを送ったり、といった感じです。
 詳しい内容は http://irenka.ashikunep.org/ にあります。オープンソースソフトウェアとして開発していて、日々の開発内容もわかるようになっています。

採択決定の感想

すでにIrenkaの開発に取り掛かっており、採択が決定して開発の良いはずみとなりました。実は、Irenkaのコンセプト自体は法政大学の大学院にいたころからコンセプトは出来上がっていたのですが、開発規模があまりに大きく、当時はなかなか形にすることができませんでした。未踏ソフトウェア創造事業に採択されたことによって、多数の目の中で開発を進めていくことになりますので、さまざまな人と意見交換をしながら、全力で取り組んでいきます。

また、Irenkaの開発プロジェクトを含むオープンソースソフトウェアコミュニティ「The Ashikunep Kotan」は、法政大学情報科学部のサポートを受けて運営しています。これからもよろしくお願いいたします。

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