GRE(Graduate Record Examination)の講評 (2011年2月実施)

2012年1月28日(土)にGREを行った。応募者は166名(4年1名、3年12名、2年145名、1年8名)、風邪などが原因で欠席した者が20名(4年1名、3年3名、2年16名)あった。このため、受験者は146名(3年8名、2年129名、1年8名)となった。受験者の数は、昨年の2倍以上となった。ちなみに、昨年は77名(3年20名、2年47名、1年10名)、一昨年も77名(3年47名、2年19名、1年11名)であった。今年度は、プログラミング演習2の履修者(主に2年生)は、GRE試験を必ず受験するようにと指導したため、2年生の受験者が多数であったが、3年生の受験者数は今年も減少した。今年から就職の開始時期が12月からとなったため、3年生が就職活動に忙しいことが起因したと思われる。

2012年1月30日
大森 健児 教授

GREは、米国での大学院進学希望者に課せられた試験である。英語と専門科目からなっているが、今回の試験では、Computer Scienceの科目について試験を行った。出題の範囲は、ACMが定めているカリキュラムのCS(Computer Science)分野(情報処理学会のJ07で定めているCSの分野とほぼ一致)である。従って、3年生は、ほとんどの教科について学んでいるため、米国の受験生と同程度の成績をあげることが期待される。他方で、1年生、2年生は多くの科目を学んでいないため、学習していないことへの挑戦となる。

成績は、素点とスケール化された得点からなる。素点は、正解をマークした場合には1点が与えられ、間違った答えをマークした場合は-0.25点となる。従って、満点は70点だが、間違った答えをたくさんマークした場合にはマイナスになることもある。

今回の試験結果は、次のようになっていた。最高点が25点、最低点が-2点であった。

全体平均分布図
素点 受験者数
25以上 1
21 – 25 2
16 – 20 9
11 – 15 21
6 – 10 44
5以下 69

この素点は、日本で使われている偏差値と同様に、何パーセントの人が下位に含まれているかによって、スケール化された得点に変換される。今回の問題はGREを模したものであるため、通常のGREのように、スケール化された得点に忠実に変換することはできないが、GREのホームページに掲載されている例題では、素点とスケール化された得点との関係は次のようになっている。

生得点 スケール化された得点 %
50 or above 860 – 900 95 – 99
40 – 49 810 – 850 82 – 94
30 – 39 740 – 800 55 – 81
20 – 29 660 – 730 28 – 54
10 – 19 570 – 650 8 – 27
9 以下 500 – 560 8未満

この表からわかることは、米国でのコンピュータ科学科への大学院進学希望者で、真ん中に位置する学生は28点ぐらいと予想される。英語で記述されているというハンディーを考えても、また、今回の問題が例題よりも難しい可能性が残されているが、3年生は25点以上の得点を挙げて欲しいと思っている。今回は1名であった。

学年別平均グラフ

また、全体と学年別の平均点は右の棒グラフのようである。1,2年の学生の間に差が見られないが、2年生が全員受験に近かったのに対し、1年生は少数の希望者(この試験を受けることによって情報処理技術者試験が大学の補助によって受けられるので、その特典を生かそうとした意欲的な学生)だったことが起因していると思われる。同様に3年生の平均が2年生の倍以上あったことも同じ原因であると思われる。

この試験での成績優秀者は大学院への推薦入学の資格を得ることができる。通常、GREでの中位点を基準としている。前々回は初めてということもあって、24点以上の受験者に推薦入学を与えたが、昨年度は、該当者は皆無であったが、今年は、24点を超えた3年生の学生に対して推薦入学を与えた。その結果1名が推薦の対象となった。

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