教員紹介
花﨑 美紀 教授
博士 (文学)
主な研究領域
- 日英語対照
- 意味論
- 言語人類学
- 社会言語学
自己紹介
私には、自慢できることが一つあります。それは、これまで経験した引っ越しの回数です。日本の中でも、東京や千葉だけでなく、長いところをあげると神戸、松本などに居住経験がありますし、また、日本だけでなく、アメリカも東はニューヨーク、西はカリフォルニア、南はテキサスに住んだことがあります。
あちらこちらに住んで感じていることは、それぞれの地方で話されている言葉によって言いやすいことが違うということです。たとえば関西弁で言いやすいが、一般的に標準語と呼ばれる東京方面の言葉では言いにくいことがあります。学生さんに、歯に海苔がついていることを告げるような場合、関西弁の方がしっくりきますし、しっかり勉強しなさいということを指導するときには、関西弁ではなく東京言葉をあまり意識しないで選んでいるように思います。英語と日本語も同じで、日本語で言いやすいことと、英語で言いやすいことは違います。このように考えてみると、それぞれの言語文化に特徴的な思考パターンがあるのではないかと思えてきます。関西弁を話している時に無意識的も意識的にも、ぼけたり突っ込んだりする機会をうかがっているのは、もしかしたら、関西弁を駆使している際には、自分の思考が関西の言語文化の影響下にあるからなのかもしれませんね。
これらの経験をもとに、現在、言語と文化と思考がどのような関係にあるのかを、研究の主要なテーマに据えて、様々な言語現象について研究をしています。
受験生(高校生)へのメッセージ
これまで英語は、覚えろ!と言われて、覚える対象と思っておられる方が多いと思います。しかし、いろいろな文法や語彙をよくみてみると、そこには、英語らしい思考パターンが見え隠れします。ぜひ、覚える対象としてではなく、理解する対象として、英語を学習していただければと思います。
また、こちらも私の研究テーマとも関係しますが、世の中には、たくさんのことばがあり、本当にいろいろな考え方があると思います。日本で常識と思われていることでも、別の世界にいくと「へんな」考えになることも多くあります。これを今の言葉では多様性と呼ぶと思います。ぜひ、いろいろな考えがあることを実感する経験を積んでいただきたいなと思います。そのためには、世界を旅行するのもいいでしょうし、英語の文法がどうしてそのような文法になっているのかということを深く考えてみるのもいいでしょう。きっと、日本語とは違う英語らしい思考パターンがあることに気が付くはずです。
主な研究テーマ
上の自己紹介に書いたことを難しい言葉でいうなら、言語人類学・意味論・社会言語学などの観点から、日本語・英語の言語文化社会における言語使用の対照比較を行い、また、それを土台にして言語と文化の相同性を求める研究を行っています。