教員紹介
秋野 喜彦 教授
博士 (物理学)
主な研究領域
- 計算物理学、材料設計・特性予測
- 統計力学、相転移・臨界現象
- 物性物理学
自己紹介
2019年4月に、法政大学へ移ってきたばかりです。
それ以前は、アメリカやドイツの大学・研究機関において統計力学をベースに、シミュレーションを用いて相転移や臨界現象に関する研究をおこない、2002年から住友化学に勤務していました。そこでは、計算に限らず分析・解析・開発といった様々な立場から、主に有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)材料の研究開発を担当してきました。これらの経験をベースに、計算シミュレーションを用いて現象を深く理解し、実材料や実デバイスなどへ繋げていけるような研究をしてきたいと考えています。
これまでの全く異なった環境や組織における経験(もちろん、良いことばかりではありません…)や多くの人との出会いは、自分を大きく成長させる原動力になってきたと感じています。法政大学情報科学部という新しい場所で、さらにステップアップできると楽しみにしています。
メッセージ
これまでの経験を通じて感じていることは、学生が基礎科目を習得した後、専門性を身に付けて研究する際に重要なことは、まず取り組もうとしている問題の本質を捉えることです。そして、解決への道筋を考える能力、議論・協力して解決にあたる姿勢だと考えています。これは、大学での研究に限られるものではなく、社会(企業)においても全く同じです。
このためには、物理学や数学などの自然科学の教養を学ぶことを通じて、基礎的・実用的な知識に加え、論理的・概念的思考力を習得することが大切になると考えています。本情報科学部においては、そのような力が身に付けられるように、様々な自然科学の講義等の機会を提供しています。
主な研究テーマ
理論物理や計算シミュレーションは、様々な分野への適用が可能です。これまでも、原子核、磁性体、液晶、有機材料等のテーマに取り組んできました。これからも様々なテーマに取り組み、計算シミュレーションを用いて、現象の機構を理解しつつ、実材料や実デバイスの高性能化へ繋げていけるような研究していきたいと考えています。主要なテーマを以下に挙げておきます。
- 密度汎関数等の量子化学計算手法を用いた有機材料の発光特性解析
- 分子動力学シミュレーションによる液晶界面に関する研究
- フラストレーションを有するランダム系に関する研究(トポロジカル相転移等)