本研究科在学生の伊藤 葵さんが第24回情報科学技術フォーラムでFIT船井ベストペーパー賞を受賞
情報科学研究科修士課程に在学中の伊藤 葵さんが、2025年9月に北海道科学大学で開催された第24回情報科学技術フォーラム(FIT2025)において、「FIT船井ベストペーパー賞」を受賞しました。
情報処理学会(IPSJ: Information Processing Society of Japan)ならびに電子情報通信学会(IEICE: The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers)は、コンピュータとコミュニケーションを中心とした情報処理に関する学術や技術を扱う国内の主要な学会の一つです。 FIT船井ベストペーパー賞は、情報処理学会と電子情報通信学会の情報・システムソサイエティおよびヒューマンコミュニケーショングループとの共催で年1回開催される大規模会議「情報科学技術フォーラム(FIT)」の選奨セッションにおいて発表された論文のうち、特に優秀な論文(3件)の著者に贈呈されるものです。
今回の受賞は、伊藤 葵さんが、対話音声データに対する声色および発話内容の両面での仮名化手法を提案した成果によるものです。 本研究では、対話音声中の個人情報を保護しつつ、態度分析に必要なパラ言語情報を維持することを目的として、発話内容を元の単語と同じモーラ数の語へ置換する仮名化手法を導入しています。さらに、原話者との声色類似度および擬似話者間の声色差分を考慮した声色変換を組み合わせることで、話者同定のリスクを抑えながら、対話としての自然な流れと話者識別性の保持を両立しました。本研究は、音声プライバシー保護と分析有用性を同時に実現する新たなアプローチとして期待されています。
受賞情報
- 受賞者
- 伊藤 葵(情報科学研究科 情報科学専攻 修士課程 2年)
- 学会名
- 第24回情報科学技術フォーラム(FIT2025)
- 開催日
- 2025年9月3日(水)~5日(金)
- 開催場所
- 北海道科学大学
- 受賞日
- 2025年11月20日
- 受賞名
- FIT船井ベストペーパー賞
- 受賞論文名
- 態度分析タスクのための音声対話データ仮名化
- 共著者
- 伊藤 克亘(情報科学研究科 教授)