法政大学情報科学部2021年度入学試験合格者の皆様へ
合格おめでとうございます。
昨年から続く新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、皆さんの高校生活も、大学受験も大きな影響を受け、様々に苦労されてきたことと思います。そんな状況の中、確実に実力をつけ、合格に至ったことについて、誇りに思ってください。おめでとう、そして、法政大学情報科学部を選んでもらい、ありがとうございます。
大学の教育についても大きな変容を余儀なくされた1年でした。大学に通う学生は、遠距離からの通学者が少なくありません。感染拡大を防ぐためにも、オンライン授業を中心に、授業の実施方法をシフトせざるを得ませんでした。秋学期には、一部の授業で対面授業を開始し、対面による研究活動も再開しましたが、オンラインと併用した形で実施することが求められました。学生からは、大学に来て学びたい、友達を作って、友達と会って、好きな活動に加わっていきたいという希望も多く、制限の多い中ではありますが、新しい形の大学祭を開きました。皆さんの入学後に、ただちに昔通りの大学生活に戻るとは考えられません。むしろ、新しい環境、新しい関係づくりの輪に加わって、新しい大学のあり方を、一緒になって考えてもらいたいと思っています。
藤田 悟 教授
法政大学情報科学部長
皆さんの選んだ学部は、「情報科学部」です。オンライン活動に必要なコンピュータとネットワークを教育・研究し、社会に広めていく役割を担う学部です。今回のように、急にオンライン授業にシフトした時にも、その領域を専門とする教員が授業方法を検討し、議論を重ねました。そして、教育の質を落とさず、スムーズで安全な移行を可能にしてきたと思っています。
ネットワークの専門家が、大学や家庭の通信インフラについて検討し、セキュリティの専門家が、オンライン授業の安全な実施方式を検討し、Webシステムの専門家が、オンライン授業に必要な Webサイトを立ち上げ、そして、情報科学部の全教員が、オンライン授業に有効なコンテンツを自ら作成してきたのです。情報科学部の授業は、オンラインであったとしても、「リアルタイム双方向」が基本です。教室に来ているのと同じように、教員の生の声を伝え、学生からの質問を受けながら授業は進みます。授業後に居残りすれば、教員と1対1で議論ができるかもしれません。皆さんは、入学後に、このような教育・研究環境を利用して、教育を受けます。ワクワクしてきませんか。
情報科学部の教育体系を再確認してみましょう。1年生は、プログラミングの入門科目やコンピュータの仕組み、情報科学のための数学の基礎科目からスタートします。高校でも学んだきた微分・積分や確率・統計に加え、線形代数や離散数学など、後に続く科目や、卒業研究の基礎になる重要な科目が並んでいます。2年生でコースに分かれ、3年生に至るまで、専門科目が徐々に増えていきます。音声や画像の分析、コンピュータグラフィックス、人工知能、ネットワーク、暗号など、興味に合わせて、科目を選んで履修していきます。そして、4年生は卒業研究です。未来の情報社会に向けて、新しい考え方を提案し、システムをデザインして、実証していきます。良い研究成果が得られた学生は、海外で開かれる国際会議で発表することもあります。4年後の自分の姿を想像してみてください。短い4年間ではありますが、自分を大きく変える4年間になるはずです。
情報科学部の教員を見てみましょう。大学教授って、どういう人達なのでしょう。実は、大学や研究所で研究を続けてきた教員もいれば、企業で活躍してから、大学に戻ってきた教員もいて、その経歴は様々です。共通することは、コンピュータが好きなことです。そして、技術や製品に敏感で、常に新しいものを見つけて、新しい考え方を生み出そうとしている集団です。情報技術の移り変わりは、非常に速く、いつまでも、昔のままの知識や考え方では対応できません。時代の流れをつかんで、チャレンジし続ける教員集団です。そんな教員達が、皆さんの教育に関わり、皆さんと一緒に研究を進めています。
GBC での学習1
GBC での学習2
情報科学部の学生支援の体制をみてみましょう。皆さんも、情報科学部の学部紹介資料やWebページで見たことがあると思いますが、ガラス箱オフィスアワーセンター(GBC)があります。学生が主体になって運営し、主に、下級生の学習・生活支援を行っています。教員もこれに加わり、授業内課題や予習復習の支援など、きめ細かな学習指導を行います。GBCの活動も、この1年間は、オンライン中心でした。オンラインとはいえ、学生と学生、学生と教員をつなぐ重要なパイプでした。この他にも、教員と学生全員がオンラインで1対1の面談を行ったり、学生の保証人向けに、学部教育の方針をオンライン中継したり、様々な試みで、皆さんの教育に関わるサポートを行っている学部です。
以上、いろいろとお話ししてきましたが、法政大学情報科学部について理解を深めることができましたでしょうか。私たちは、新しい学生を迎えることを楽しみにしています。是非、一緒に、未来の情報社会をデザインしていきましょう。
4月に、皆さんとお会いできることを楽しみにしております。