法政大学情報科学部2018年度入学試験合格者の皆様へ

合格おめでとうございます。

みなさんが「情報科学」という分野を進路の候補にしたきっかけは何だったでしょうか。最近とても注目されているAI?CGやアニメ・ゲーム?Line, twitter, Instagram のような SNS?それとも、高校の「情報」でも使ったに違いない表計算ソフトやプレゼンテーションのツールでしょうか?

今や、わたしたちの日常生活の殆どの場面に情報科学技術が関わっています。スマートフォンの普及により、GPSや加速度などの様々なセンサやカメラ・マイクをいつでもどこでも使うことができるようになり、お互いのコミュニケーションから日常の健康管理まで多様で便利な機能が提供されるようになりました。街に出ると、スーパーマーケットやコンビニエンスストアでの商品管理やICカードによる交通機関の利用などはあってあたりまえになり、それを支える見えないところにある巨大な情報システムなくしては、今の便利な日常生活は成り立たないと言っても過言ではありません。実世界の様々な情報は、SNSや検索エンジンなどを通じて情報空間に流れ込み、そこに蓄積された大量のデータを解析し知的に処理することで社会に新たな繋がりやムーブメントを生み出しています。最初のきっかけは色々あると思いますが、少し深く勉強してみると、その広がりと可能性に驚くことでしょう。

廣津 登志夫 教授

廣津( HIROTSU) 登志夫( Toshio) 教授
法政大学情報科学部長

法政大学情報科学部での学びは、この高度情報化社会を支える技術者としての基礎を固めるものです。情報技術が今後ますます発達していくことは間違いなく、社会に出た後にもその進歩に追従し成長していくことが必要になります。そのためには、「今ある技術を使う」だけでなく、それらの技術の「仕組みや考え方」といった根本を理解し、技術の成り立ちを理解することが重要になります。この学びを支えるのが、『カリキュラム』『人材』『教育環境』の3点です。

情報科学部の『カリキュラム』は、まさに「情報」技術の仕組みや考え方を学ぶために作られたものです。情報を扱う基盤としてのコンピュータとその上で処理されるメディアデータという二つの軸を入り口に、コンピュータ基礎・情報システム・メディア科学とより専門性の高い3つのコースへと、自分の興味に応じて自在に学び進めていくことができます。大学に入ってから学ぶ「情報」の技術側面は、新たな興味や進路の目標を生み出すことでしょう。情報科学部のカリキュラムは、学びながら各自の将来に向かって最適な知識を積み上げていくことができるような自由度と柔軟性を用意しています。

このカリキュラムの元で皆さんの教育をサポートする『人材』には、企業や研究所など大学以外の場でキャリアと積んで来た教授が多数います。大学での研究は非常に狭い領域を対象しているようなイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。情報化社会の現実的な側面を良く知る教授陣の元で、将来に向けた新技術の研究と実践的な情報技術ををバランス良く学ぶことができます。

『教育環境』としては、新入生全員に1台ずつノートパソコンを貸与しており、卒業までの4年間1台のパソコンを使い続けることで、いつでもどこでも効率的に学習を進めることができます。また、スマートフォンやドローン、ヘッドマウントディスプレイと言った、新しい実践的な情報機器も研究・教育の題材として積極的に導入していますし、最新のプログラミング言語やAIの技術といった新しい技術を学ぶ機会も用意されています。これらの機材面の環境に加えて、皆さんの日々の学習を助ける場所としてガラス箱センター(GBC)という場所を設けており、先輩の学生達や教員に気軽に相談できるようになっています。

GBC での学習1

GBC での学習1

GBC での学習2

GBC での学習2

卒業後の進路の中心となるIT関連企業における開発や技術部門では、情報化社会を支える優秀な人材が常に求められています。また、情報技術の社会への浸透に伴い、製造業・一般企業のIT部門や公務員など、情報技術のスペシャリストが望まれている業種は幅広くあります。さらに、技術系の研究開発の場では大学院卒が主力であることから、大学院への進学も重要な選択肢の一つに上げられます。

最後になりますが、入学してこられる皆さんに向けて、入学前にやっておくと大学での学習の助けになることを幾つか上げます。まず、コンピュータの扱いやプログラミングなど情報の専門に関わる内容については、情報科学部の教育で学ぶ機会が十分にありますので、事前に特別な準備は要りません。それよりも数学の復習、英語、読書の3点に取り組んでおくのが良いでしょう。情報科学の理解のためには、場合の数や確率・統計、集合と論理、平面・空間図形、ベクトル、三角関数や微積分といった内容はしばしば必要になります。こういった内容のなかであまり得意でないものを中心に十分に復習しておくと良いでしょう。英語については会話などより実践的な内容が主体となってきます。ネイティブスピーカーの英語を聞いたり、英字新聞のような文章を読み慣れておくことをお勧めします。また、情報科学は実社会の様々なことと関連しています。この観点から、歴史でも地理でも文学でも自然科学でも何でも良いので興味のある分野についての新書版程度の書籍を読んで、自分の視野を広げると同時に文章を読み解く力を養っておいてください。

法政大学情報科学部では情報を専門に学びたい人のために最適な教育環境と教授陣を用意しています。4月に新しい一歩を踏み出す皆さんとお会いできることを楽しみにしています。

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