教員紹介

狩野 覚 教授

狩野( KANO) ( Satoru) 教授

理学博士

主な研究領域

  • 非線形レーザ一分光

自己紹介

1997年に法政大学工学部に着任し情報科学部の設立とともに移籍して現在に至っています。それ以前はコンピュータ会社に約10年、国立大学に約10年ほど在籍し、研究者としてはレーザーを用いた分光学の開発や応用にずっと関与しています。現在は情報科学部の数学と物理学の基礎教育に努力していますが、学問的なことに限らず、さまざまな組織での活動や業務を通じて得た経験を若い皆さんに伝えて行きたいと思います。

メッセージ

皆さんは時代を先取りする仕事を続けていくことが期待されています。ですから新しい問題に直面することは避けられません。そのとき、回り道のように見えるかもしれないですが、原理をよく理解しておくと実は非常に素早く対応できる、というのが私の経験です。丸暗記した公式は実戦には役に立たないし未知の問題に直面したときに全く無力です。在学中に「きちんと考える」「基礎にもどって考えなおす」というスタイルを身に付けるなら将来どんな分野で仕事をしても大丈夫です。

主な研究テーマ

研究動機

私が大学院の学生だったころ実験装置としてのレーザーは完全に手作りの時代で、そういった装置を作るのが好きだったのが分野を決めた理由のひとつ。また大がかりな実験と異なり分光学は小人数で仕事ができるというのも魅力でした。私は研究分野を頻繁に変えている人間のように見られます。事実、米国では周波数多重光ディスクの基本概念に関わる実験、日本ではディーゼルエンジンの燃焼解析、膜生成プラズマ内の化学反応のモニタ、核融合用レーザーの効率を上げるためのデータ収集、半導体レーザーや光スィッチの高速応答に関係する光物性、触媒作用にかかわるエネルギー移動の研究など…たびたび職場も変わりました。しかし、変わったのは光を当てる対象と応用の目的だけで、中心にはずっとレーザーと物質の相互作用の物理学があります。

超短光パルスの波形整形による分子の量子状態制御

化学反応を選択的に起こすための光と物質の相互作用の研究です。フェムト秒光パルスを用いて、分子の複数のエネルギー準位を位相をそろえて励起することで、分子の骨格をなす原子核の振動が波束をつくるようにし、その波束を逐次的に励起・脱励起させて時間発展を制御する実験法を開発にたずさわっています。ナノ秒程度の光パルスを用いた従来の光化学では困難であった励起状態や反応の制御を行うことが出来ることを実際に示すのが目的です。光パルスの形や位相を自在に制御する過程で遺伝的アルゴリズムを用いた最適化をおこなうこともあります。(神戸大学と共同研究)